No13 税務調査の前にやっていること

 

税務署で税務調査先に選んだからといって、調査官が何も準備せずに税務調査に臨むわけではありません。多くの会社がある中で、わざわざ税務調査先に選んだわけですから、税務調査で調べたい事項があるのです。

税務調査の前にまず調査官がやっていることは、申告書など提出した資料を細かくチェックすることです。やはり、提出した書類・資料が大事だというわけです。

これだけで調査官の事前準備は終わりません。税務調査の前に、内観調査と外観調査が行われるケースもあります。

内観調査とは内偵調査とも呼ばれるもので、特に現金商売の事業者に行われます。飲食店であれば、調査官は事前にご飯を食べに来ていると考えた方がいいでしょう。

内観調査では主に、客数や客単価、従業員数、出前があるかどうかの確認の他に、現金の動きをチェックされます。会計時に、レジを打っているのかどうか。レジを商品などを打たずに現金箱のように扱っている店舗も数多くありますが、これは要注意です。調査官からすると、「これでどうやって正しく売上を把握しているんだ?」と事前に疑われる可能性が大です。
また、調査官が内観調査で支払った現金が、税務調査のときにどこにあるのかを調べられることもあります。調査官は目印をつけておいた1万円札で支払いをし、税務調査のときにその1万円札を調べるのです。現金商売では、レジから売上のお金を抜く社長も多くいるので、そこまでチェックしているのです。店舗を経営している会社は、いつ調査官が内観調査に来ても疑われないように、普段から現金の取り扱いをきちんとしていることが重要です。

また、外観調査が事前に行われている可能性もあります。外観調査とはその言葉通り、外から見られているのです。店舗を営んでいると、外から客数を数えていたりします。また、社長の自宅をチェックされることもあります。これは社長の生活状況をつかむことが目的ですが、会社の資産になっている車が自宅に置かれていないかどうかも見られているのです。

最後に、最近では調査官が会社のホームページは当然ながら、社長の個人ブログをチェックしたり、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアも見られている可能性が高いです。税務調査の連絡が入ったときだけではなく、税務署に疑われるようなネット上の書きこみは控えるべきでしょう。