No2 税務調査が怖いのですが・・・

 

社長同士で飲みに行くと、たまに税務調査で「痛い目にあった」話で盛り上がるのでしょう。

「真面目に会社をやっているだけなのに、多額の追徴を持って行かれた!」こんな経験談を聞くことが、税務調査のイメージが悪くなる理由の1つですね。痛い目にあったのは、その会社が税金を少なくするなどの悪いことをしていたり、税務調査での対応が悪かったりすることがほとんどです。

正しい対応方法さえ知っておけば、ほとんどの税務調査で嫌な思いをすることはないのです。

社長に「税務調査ってどんなもんだと思ってます?」と聞くと、古くは映画「マルサの女」のインパクトが強いのか、最近ではテレビ朝日で放送された米倉涼子主演のドラマ「ナサケの女」のイメージがあるのか、散々下調べをした挙句、突然やってきては、警察のガサ入れのようなことをされることを想像している方も多いようです。

よくある大きな勘違いは、「税務調査=マルサ」ではありません。税務調査は「国税調査官」が行っているもので、「マルサ=国税査察官」が行っているものとはまったく違うのです。もちろん、調査官も査察官(マルサ)も国税庁の職員ですよ。しかし、やっていることはまったく違います。

マルサ(査察官)が行うのは「強制調査」と呼ばれるものです。マルサは裁判所の令状を持ってきますので、会社にそのまま上がり込むは、書類などを押収されるは、それは大変なことになります。しかし、これは脱税をしている悪い会社の話です。普通は、マルサが入ったりはしません。

会社が受ける普通の税務調査は、「任意調査」と呼ばれていて、当然裁判所の令状などありません。あくまでも税務署が「調査したいです」と言って、社長が「はい、いいですよ」と了解するから実施できるのが税務調査なのです。「ガサ入れ」のような行為はないので、心配することはありません。

また税務調査が怖い理由に、調査官の怖いと思っている場合もあるようです。

税務調査は、脱税など悪いことをした会社や社長を取り調べるために行われるものではなく、あくまでも税務署に提出された申告内容が正しいかどうかを確認するためのものですから、調査官を怖れる必要はありません。

調査官の態度が大きかったり、言葉遣いが悪いような場合があるようですが、社会人としての対応として疑義を感じるのであれば、調査官本人に指摘して、是正を促しても構いません。

悪いことをしていないのであれば、税務調査といえど、普通のビジネスシーンと同じようにふるまえばいいのです。