No27 修正申告の強要A

 

前回に続いて、税務調査における修正申告のお話しです。ちょっと怖い話ですが、たまにあるので、お伝えてしておかなければなりません。

税務調査で調査官の否認指摘に対して納得していない

→納得していないので修正申告を出さないと伝える
修正申告しないと大変なことになると「脅し」てくる調査官もいます

具体的にどんな脅しかというと、ほとんどは3つのパターンに分かれます。

@「修正申告しないと税金が増えますよ!」
これは明らかなウソです。前回でも書いているように、修正申告であっても更正になったとしても、税金の額が増えたりすることはありません。

A「細かいことまで調べることになるので税務調査が長引きますよ!」
実際に、修正申告を提出しない態度を示すだけで、延々と税務調査をしようとする調査官がいます。税務調査が長引くことで「もういいよ・・・」と経営者があきらめるのを待っているのです。

B「取引先のところに反面調査に行きますよ!」
取引先に対して反面調査を行うことで、会社の信用を失墜させようとする行為での脅しです。反面調査は脅しの手段ではないため、反論・抗議することが可能です。

そもそも、なぜこのような「脅し」の言葉を吐いてまで調査官が修正申告を「強要」してくるかというと、調査官にとって更正処分するのは非常に面倒だからなのです。

税務調査の結末が修正申告ということになれば、会社(経営者)納得しているのですから、その後面倒なことにはなりません。また、修正申告は会社が自主的に行うものですので、提出された修正申告書を税務署で処理すればそれで終わりです。

しかし、更正処分ということなると、税務署から会社に対する処分ですから、処分するための根拠・証拠をそろえなければなりません。また、更正処分は税務署長名で行われる法律行為ですから、税務署長の決裁まで必要とされており、調査官としては手続きだけでも非常に面倒なのです。もちろん、修正申告でも更正処分でも、調査官のノルマや評価はまったく同じです。

修正申告してほしいのは、実は調査官なのです。だからこそ強要までしてくるというわけです。変な脅しには絶対に屈しないでください。