No6 社長が同席する必要はない

 

税務調査を受けた社長はおわかりでしょうが、税務調査とは暇なものです。

調査官がパラパラと帳簿をめくっている間、社長は何もすることがないのですから。たまに飛んでくる質問に回答するだけで、会計処理については税理士が回答するわけですから、1日中税務調査を受けて、社長がしゃべったのはほんの二言三言というのはよくある話です。

そもそも顧問税理士がいるんだから、社長が税務調査に同席する必要がないのでは?と思う方も多いと思いますが、実はこれが正解です。顧問税理士がいれば、社長自身が税務調査に同席する必要性は法的にないのです。

そうはいっても、調査官は税務調査で社長の同席を求めてきますし、税理士も最初から最後まで社長抜きで税務調査というのは困るというのも事実です。
 これはなぜかというと、事業の概況を聞くということが必要だからです。税務調査では調査官もいきなり帳簿をめくり始めるわけではありません。税務調査を始めるにあたって調査官は、その会社がどうやって成り立ってきたか、業界の動向、今後の方向性などを社長から聞き、それら概況を知ったうえで細かい帳簿等のチェックに入るわけです。

事業の概況というのは、税理士が答えられるものでもなく、やはりこのときに社長が必要になります。逆にいえば、事業概況さえ答えてしまい、帳簿のチェックに移行すれば社長の同席は不要で、本職である税理士に任せてしまえばいいのです。

社長が同席していないと、税理士も答えられないポイントが出るかもしれませんが、それは後日社長が税理士から聞いて回答すれば何ら問題ありません。

社長が税務調査から外れるには、下記のような方法がいいでしょう。

10時:調査官が来社(税務調査の開始)

その際に「11時から仕事の都合で外出しなければなりませんので、私(社長)に対する質問があれば、今のうちにまとめてしていただけますか?」と調査官に言います。

10〜11時:事業の概況などを回答する(できるだけ談笑)

11時前後:外出して、あとは税理士に任せる

ちなみに、

予定がないのに「予定がある」というのはウソ(虚偽答弁)になりますから、実際に仕事の予定を入れなければなりません。