No62「国税調査官の守秘義務」

 

税務調査は、税務署の調査官に事業に関する秘密(売上や利益の金額)を明らかにすることですから、 調査官に秘密を洩らされるのであれば、素直に回答できないことになります。

今回と次回にわたって、国税調査官に課されている守秘義務について解説しましょう。

国税庁のホームページにおいて、「税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)」 http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h24/nozeikankyo/ippan.htm
では、下記の問答が載っています。

問8 調査対象となる納税者の方について、医師、弁護士のように職業上の守秘義務が課されている場合や宗教法人のように個人の信教に関する情報を保有している場合、 業務上の秘密に関する帳簿書類等の提示・提出を拒むことはできますか。

【答】調査担当者は、調査について必要があると判断した場合には、業務上の秘密に関する帳簿書類等であっても、納税者の方の理解と協力の下、その承諾を得て、そのような帳簿書類等を提示・提出いただく場合があります。 いずれの場合においても、調査のために必要な範囲でお願いしているものであり、法令上認められた質問検査等の範囲に含まれるものです。
調査担当者には調査を通じて知った秘密を漏らしてはならない義務が課されていますので、調査へのご協力をお願いします。

つまり、国税調査官に「調査を通じて知った秘密を漏らしてはならない義務=守秘義務」が課されていることを明記しています。 この守秘義務は、公務員全般に課される守秘義務に加え、国税調査官に課される守秘義務が、2重で課されているのです。

下記は公務員全般に関する法律になります。

第100条(秘密を守る義務)
職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする。

第109条(罰則)
次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
十二  第百条第一項若しくは第二項又は第百六条の十二第一項の規定に違反して秘密を漏らした者